極上な御曹司にとろ甘に愛されています
『うん、確かに頑張ってるね。朝も一番に出勤してきて給湯室の準備したり、屋上で昼休み英語の勉強したり。相田さん、この一ヶ月休まずによくやったと思うよ』

相田さんの頑張りを褒めて頭を撫でると、彼女の目から大粒の涙が溢れた。

これが他の女なら“メンドーな女”って思ってきっと冷めた目で見ていただろう。

だが、相田さんに対してはそうは思えなかった。

“守りたい”って感情が沸き上がってきて、気づいたら俺は彼女に胸を貸していた。

こういうのを“庇護欲” と言うのだろうか?

相田さんといると、自分でも知らなかった自分に出会う。

「……高橋さん?……高橋さん?」

何度も相田さんに声をかけられ、ハッと我に返る。

「ああ、ごめん。ちょっとボーッとしてた」

咄嗟に笑顔を取り繕うと、相田さんは口許に笑みを浮かべながら店の中に俺を誘う。
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