極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「弟の相田卓です。姉がいつもお世話になってます」

そんな挨拶を交わす俺達を放置して、相田さんは店内をキョロキョロと見渡す。

「卓、どこかいい席空いてる?」

「今カウンター席しか空いてないんだけど……いいですか?」

相田さんの弟は相田さんにではなく、横にいる俺にそう聞いてくる。

「ええ。お願いします」

俺が笑顔でそう答えると、彼は俺達を店の奥にあるカウンター席に案内する。

照明は暗め、客層は二十代から四十代。週末ということもあってかテーブル席にはカップルが多い。

小さなキャンドルが各テーブルに置いてあって、雰囲気もいい。

カウンター席につくと、相田さんの弟が水入ったグラスをテーブルに置き、メニューを俺達に手渡す。

「今日のおすすめは俺の作るまかない」
< 46 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop