極上な御曹司にとろ甘に愛されています
人懐っこい笑顔で相田さんの弟は自慢げに言う。

給仕だけでなく、料理もするのか……と感心していると、隣にいる相田さんが突っ込んだ。

「それは卓の手抜きでしょう?身内だからって適当にあしらわないでよ」

相田さんが拳を握ってドンと弟の腹部を叩くと、彼女の弟は「いてっ!」と呻き、顔をしかめた。

「見ました、今の?萌姉は俺にいつもこんな風に暴力振るうんですよ。高橋さんも気を付けて下さいね」

相田さんの弟が笑いながら俺に目を向ける。

「それは、卓が意地悪だからでしょう?変なこと高橋さんに言わないでよ」

ふたりのやり取りを見て思わず顔が綻ぶ。自分には兄弟がいないから、ふたりが羨ましく思えた。

「仲良いんだね」

素直に思ったことを口にすれば、「「とんでもない」」と、ふたりは同じタイミングで返す。

ホント、仲が良い。
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