極上な御曹司にとろ甘に愛されています
俺の問いに萌が無言で首を縦に振ると、彼女を抱き上げてトイレに連れていった。

だが、萌は苦しそうにトイレの前で屈んだままで吐く様子はない。

吐きたくても吐けないのか?

「吐いたら少しは楽になるよ。ちょっと苦しくなるけどごめんね」

萌の顎に手をやると、俺は迷わず彼女の口の中に指を突っ込んだ。

すると、やっと萌はトイレで吐くことが出来て、俺は苦しむ彼女の背中をさすった。

隣にあるバスルームに萌を連れていくと軽くうがいをさせ、服が汚れたのでシャワーを浴びさせて着替えさせる。

萌ひとりでは出来なくて、全部俺が手伝ったが、まあこの場合仕方がない。酔いが覚めた時に怒られるのは覚悟の上だ。

俺も素早くシャワーを浴びて着替えると、萌を抱き抱えて寝室に戻った。

ベッドに寝かせると、萌はブルブルと震え出す。

「……寒い」
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