極上な御曹司にとろ甘に愛されています
恋人に言うように甘く囁いて、恭介は私の身体を抱き寄せる。

「あっ……ごめんなさい。起こしちゃいました?」

小声で謝りながら、私は恭介に目を向けた。

髪は若干乱れているが、寝起きだというのに何故彼はこうも格好いいのだろう?

映画のワンシーンを見てるかのように恭介の寝起き姿は色気があって、しばしボーッと見とれてしまった。

「いや、俺もちょうど目が覚めた。熱は……」

恭介は呟きながら私に顔を近づけ、額をコツンと当てて熱があるか確かめる。

その動作もこれまで何度繰り返されたか。

一度『体温計の方が良くないですか?』っと恭介にそれとなく提案したのだけど、『手っ取り早くすぐわかるから』と笑顔で押しきられた。

でも、慣れとは怖いもので、今では恭介のこの動作に何の疑問も抱かなくなった。

「うん、下がってる。でも、まだ咳してるし、今日も休んでいた方がいいかな」

「……今日って何曜日ですか?」
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