お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~
その恋の終わり

それでも貴方のフレグランスにしがみついて

京都へ先生と出掛けたあとの日曜日の事だった。大学の時の仲のいいクラスメイトが、結婚することになり、1人会場に急いでいた。

私は30歳の誕生月になっていた。結婚するこ友人は、学生から付き合ってきた彼と実に8年ほどの交際を経て今回結婚へと至った。新郎となる男性もよく知っている男性だった。

式は、神社で神式で行われ、披露宴はそ神社がある所の別室で行われた。式では和装に、日本髪を結っていた彼女。披露宴では、途中退席をし、黄色いカクテルドレスで現れ、明るい彼女にとても似合っていた。

「30歳までには」と、今年30歳を迎える年に、滑り込みではないが結婚した友人が多くいた。

小学校の卒業文集に、僕達私達はどんな風に過ごしているか?というのがあり、私は迷わず24歳で結婚をすると書いていた。大人になってから見返してみると、思わず笑みがこぼれそうになる。

新婚生活を北欧ではじめ、当時好きだったB'zの稲葉浩志に似た男性と結婚していると、あった。

披露宴もたけなわになり、ブーケトスがあった。ブーケトスに参加するのは独身女性のみ。私も同じテーブルにいた独身の別のクラスメイトと参加した。

遠慮がちに私は後ろの方で立っていた。すると新婦になった友人が
「詠美、そんな場所に届くわけないから、もっと前に出てきてよ」と言われて、前へと進み、結局は独身の友人と並んでブーケトスを待った。

ブーケトスがはじまった。放物線を書くように、後ろ向きの新婦がブーケを投げた。



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