お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~
あれから例の順一くんと、焼鳥屋でご飯を食べた。

お酒が大好きな順一くん。私はお酒弱い方だから、少ししか飲まなかったけれど、焼鳥が大好きだったし順一くんは優しかった。

後日付き合ってほしいと言われて、付き合う事になった。

しかし、付き合いはじめてわかったこと。極度の出不精だったこと。土日は昼過ぎまで寝て、1日テレビをみたり買い物とか必要がない限り一歩も外に出ない。

出たとしても、夜お酒をのみに行くのみだった。部屋のカーテンは遮光カーテンで彼の部屋に泊まるとついつい私も遅くまで寝てしまう。

デートはずっと彼の家のみ。どこかに行きたいとしつこく言うと、ようやく重い腰をあげて、近くのショッピングモールの映画に行っただけ。

先生との時間も、タワーマンションの一室で過ごすことが大半だった。しかしそれは、私と不倫関係にあったからであり、致し方なかった所が大いにあった。

先生が珍しい位マメな男性だったからかもしれない。結婚を意識しだした私にそんな演出はいらないのだけど、順一くんは極端すぎた。
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