お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~
妄想で愛する先生をその気にさせて、キスより先に進むには・・・。

色々と策が頭に浮かぶも、どれも自信のないものばかりだった。

触れても触れさせてもだめ、自分の体にも触れずに、官能的な声もだめ。

【サクランボの軸を舌の上で結んじゃう?】そんな事出来ないし、
【わざと雨に濡れて、下着の線透かせて見せる?雨振らないと無理か。シャワーにする?服着たままシャワー。でも外したら時がイタイな。ずぶ濡れになってもダメだったら・・・】

いい案が浮かんで来ないので、しまいには【普通の女性だと胸の谷間アピールできるけど、貧乳なら胸の谷間ないから、襟元の大きく開いた服で前かがみもありじゃない?】

色仕掛けはだめ、と言われてもそもそも色気の「い」の字もない貧乳地味子の私だから、胸チラしても色仕掛けにならないじゃない、なんて、投げやりな考えが浮かんだ。

でも、【貧乳をわざわざアピールしてどうするのだろう?その気にならないだろうし、失笑をかいそうだな】と余計惨めになりそうだし、断念した。

「やっぱり出たとこ勝負かな・・・」私は独り言を呟いてもらった合鍵の、シンデレラのガラスの靴のチャームを、目の前で揺らしてみる。

明日はついに、決戦の金曜日。
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