半妖の子
謝罪
今日は日曜日。


一般的には休みの日。


だけど私には休みという言葉は存在しない。


それだけ忙しい毎日を送っている。


コンコン。


ノックをする音。


「はい」


「失礼いたします」


「マリア。どうした?」


「お客様がお見えです」


「客?」


そう言ったマリアの後ろには陰陽師の2人がいた。


「・・・なにか用?」


「ちょっと話があるんだ。時間・・・大丈夫か?」


「・・・・・・わかった。場所を変えよう」


私は2人を隣の部屋へ通した。


「それで?話ってなに?」


「あ、あの・・・その・・・えっと・・・・・・」


「はっきりして」


「・・・っ!悪かったよ!」


「え?」


「昨日、遅れてしまって。理由も話さないで勝手に俺がキレて悪かったよ・・・」


「私からも謝ります。昨日は遅れてすみませんでした!」


頭を下げる2人。


「わざわざ謝りに?」


「あぁ。昨日、じじいに怒られてよ。美弥さんが怒るのは当たり前だって」


「そう・・・」


「あの、許して頂けますか?」


「許すも何も端から怒ってないから」


「え?でも・・・」


「私が言いたい事は陰陽師としての自覚を持てということだけだから」


「それはどういう意味だ?」


「それぐらい自分で考えなさい」


「分かんねーよ・・・」


「答えは必ず見つかるから」


素直に謝るところ。


子どもには叶わないね。


「それじゃ私はこれで」


『え?』


「もう行くのですか?」


「何かあんのか?」


「仕事だから。ごめんね」


「あ!ちょまっ・・・」


「すみません。龍之介様、雪音様。姫様はお仕事で忙しいのです」


「仕事?私たちと働いているの以外にも?」


「はい」


「そうなのか・・・」


「何の仕事か聞いてもいいですか?」


「そうですね・・・長くなりますが」


「大丈夫だ」


「分かりました」
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