ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
産まないなんて選択肢は、最初から考えてない。
この子は絶対に産む!
たとえ望月さんに反対されても・・・。

反対、するかなあの人・・・。
でもいいもん。反対されても、私は産む。
だって、望月さんは、この子のお父さんなんだよ?
それに私は、この子の父親が望月さんで良かったって思ってる。

相手が望月さんだから、この子を産んで育てるって自然に思えてる。

「避妊バッチリしてても、それでもこうして来てくれたんだから・・・生まれたいんだよね?産むからね、私。キミは絶対生命力が強い子だよ。キミのお父さんがそうだから」

私も・・・強く生きれる。
ううん、強く生きていく。

鏡の前で涙をぬぐった私は、簡単にメイクを直した。

これで・・よし、と。
泣いた痕跡は、無事に消えた。

それから、初めて使った妊娠検査薬をどうしようかと一瞬悩み。
その結果部分をクローズアップして写真を撮った後、ゴミ箱に捨てた。

望月さんに写真を突きつけるためじゃなくて、おなかの赤ちゃんの存在を、初めて知った記念に。
私自身のために取っておこう。

念のために、今日からヒールの靴履くのは止めることにした。
もう背を高く見せたいって背伸びする必要はないし。
それに私のおなかには、赤ちゃんがいるから。

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