ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
「たぶん、島野は大事なところでスパッと決められねえ部分があるのかもしれねえな。どっちに対しても未練タラタラ持って。そうなると、もう一人の女は気の毒だな。ま、知らねえ方が幸せってこともあるしな」
「・・・ねぇ。望月さんって、浮気したことありますか」
「ああ。あるよ。二股も不倫もな」
「うっわーぁ。あなたはオンナの敵です!」と私は言いながら、向かいに座っている望月さんをビシッと指さした。

それに対して、望月さんはフッと笑いながらグラスを掲げると、グイッとウイスキーを飲んだ。
なんか・・・大人の余裕をこの人から感じる。

「なんでそんなことするんですか」
「なんでって聞かれてもなぁ。俺はどっちに対しても本気じゃなかったんだが」
「ちょっとぉ。それひどいー・・・ていうか望月さん、不倫してたの!?」
「ああ。だが俺は結婚してねえ。てか一度もしたことねえから、俺が不倫したんじゃねえぞ」
「あ。そうですか・・」
「全部昔の話だ。最後は話がこじれて相手に金請求されたこともあるし、心中しようと泣きつかれたこともある。相手の男に逆恨みされて刺されたこともあったな」
「う、わぁ・・・」

私は目をパチパチ瞬かせると、カルヴァドスを一口飲んだ。

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