私の青春、君の人生




あたしたち4人は肝試しの日から集まっていない。




もちろん、美月と健吾も会っていない。




「美月……」




なにか言おうとした、その時。




急に笑顔になった美月が、軽い足取りであたしの横を通り過ぎた。




「おはよう!」




健吾の隣に行き、笑顔でいつものように肩をバシッと叩いた。




「あ……おはよ」




健吾は一瞬困ったような顔をしたけど、美月の気持ちを察したのか、笑顔を返した。





「いけそう?」




健吾が教室に行ったのを見届け、美月に聞いてみた。




「うん、気まずくなりたくないからね。少しくらいの我慢は必要。」




美月は強いな。




「てかね、考えたんだけど、近くにいれば好きになってもらえるチャンスあるんじゃないかなって」




ほんとに、強い。



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