COLORS~Blue~
救いだったのは。
仕事帰りだからか。
透子さんの薬指に、指輪がなかったこと…。


「そこはもう少し、気持ちゆっくりめの方がきれいに見えます」
「…こう?」
「あ、はい。そんな感じです」


透子さんの手元と。
俯き加減の顔を見つめながら。
今日はただ。
意識させる余裕もなく。
至って普通に。


「ありがとうございました」
「いえ。お疲れ様でした」


初回の稽古を。
とりあえず、終えた。

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