君が好きだと叫びたい
エンジンの振動音と過ぎ行く景色が、風と共に後方へと流れていく。


初めてのバイクの2人乗りに怯えつつも、必死にタクトの広い背中にしがみ付いた。


「ミノリ、怖いのか?」

彼の服に跡がついてしまいそうな程に力を入れた体から、精いっぱい声を振り絞る。


「ぜっ、ゼンゼン、ダイジョウブダカラ!」

「ばか、力の込め具合と言葉が合ってねぇーぞ。」

赤信号で止まり、タクトがワザとらしく轟音を響かせバイクをふかせば、ギャーッ!と悲鳴が道路に木霊する。


「大きい音出さないでよ、怖いから!」

「くっ、ははっ。」

「でも、怒鳴ったおかげでちょっと恐怖感和らいだかも。」

「そりゃぁ良かったな。」


2人は終始穏やかな笑い声を上げながら、ツーリングを楽しんでいた。
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