君が好きだと叫びたい
バイクを走らせ、たどり着いた先は夕陽によってオレンジ色に照らし出された海岸だった。


「ちょっくら降りるか。」


バイクを止め、砂浜へと降り立つと、より一層潮の香りが私たちの鼻腔をくすぐる。


「わぁ、綺麗だね。」

キラキラと輝きを放つ水面が、全てを受け止めてくれそうな優しい表情を見せていた。


タクトと会うために気合いを入れたワンピースを着てきたけど、そんなこと御構い無しに砂の上に腰を下ろす。

「はぁー、どっこいしょっと。」

「お前はおばあちゃんかよ。」


大学生活ではひた隠していた素が思わず出てしまい、速攻で突っ込まれてしまった。

「あははっ。もうなんか、タクトと一緒にいたら全部どうでも良くなってきちゃった。」

「そうか、そりゃ良かった。」

隣にタクヤもドスッと腰を下ろす。


何をする訳でもなく、2人並んでぼーっと寄せては引く波打ち際を見つめる。


彼の隣にいるだけで、安心して。

一緒に過ごしているだけなのに、嬉しくなって。

体操座りしながら、夕陽の色をしたタクトの横顔をチラリと盗み見る。

なんだか、今日までの2ヶ月間の自分が、偽りだったみたい。


今日会って自分の気持ちを確認しようと思った。


けれど、会ってすぐに答えなんか出ていたんだ。



先輩の身体が近付いてきた時は嫌悪感しか無かったのに、バイクでタクトと密着している時は、全然そんなことは無かった。

自然体で笑えていて、楽だった。


彼が反応を見せてくれる度に、(嗚呼、そうだ。これこれ。)っと妙に納得している自分がいた。



私は、タクトのことが...

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