闇喰いに魔法のキス


****


チッ…チッ…チッ…


秒針の音が、酒場に響く。


レイとロディが出て行ってから六時間が経過した。


時計の針は、午後十一時を指している。



…何回、時計を見上げただろう。



「ルミナさん。」


「!」



モートンが、ソファに腰掛ける私に優しく声をかけた。



「ココアでも飲みませんか?

こういう時は、甘いものを口に入れると少しは落ち着きますよ。」



にっこりと微笑むモートンに、私は小さく呼吸をして頷く。



…気を遣ってくれてる…。

モートンは、優しいな…。



あれから、ダウト達が酒場にやってくることはなく

夜の街には静けさが漂っている。



…いくら考えて不安になったって、キリがないよね。


レイとロディは、絶対帰って来てくれる。

今は信じて、待つことしかできないんだ。



私が、カウンターへと向かうためにソファから腰を上げた


その時だった。



……ブロロロ……



「「!!」」



酒場の外から、聞き慣れたエンジン音が聞こえた。


私とモートンは、はっ!として窓の外を見る。


すると、そこには真っ赤な外車。


!!


ロディの愛車…!


ということは………



その時

バタン!と、車の扉が閉まる音がした。



どくん、どくん…


急に心臓が音を立て始める。



体が硬直した瞬間

酒場の扉が、ゆっくりと開かれた。



………キィ。



!



酒場に、一筋の月明かりが入った。


開かれた扉の向こうに立っていたのは

銀色の青年の姿。



!!



「レイっ!!」



私は、彼の名前を叫んで

無意識のうちに駆け出し、彼に抱きついた。


ぎゅう…!と強く抱きしめる。


レイの体は傷だらけで、服はボロボロ。


でも、レイの体温はしっかりと私伝わってくる。



…レイだ。

生きてた……!


帰って来た………!



「レイ、リバウンドは?!

体は大丈夫…?!」



私は、早口でレイに声をかけながら彼の体を見つめた。

傷だらけだが、致命傷となるような傷はなく呼吸も安定しているようだ。



…まさか、シンにリバウンドはなかったの?



「ねぇ、レイ………」



私が、彼の名を呼んだ

その時だった。



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