箱庭センチメンタル
……嫌なのに。
大切な皐を、真也を、貶めたくないのに、疑心は常につきまとう。
寝付けないほどに、夢に現れて惑わすほどに。
『嘘つき。汚らわしい。信用できない。
本当はずっとそう思っているくせに』
囁き声が耳にこびり付いて離れない。
否定できない、人を疑ってかかってしまう弱い自分。
「雛李?」
気が付くと、無言を貫く私を心配した真也が側にいた。
そんな顔をさせてしまっていることに複雑な思いを抱く。
何故だろうか、胸が痛い。
額に触れようと伸ばされた真也の手を交わし、努めて冷静に振る舞う。
「ご心配なく。熱などありません」
「……」
「……本当に、何もないのです」
真意を探るような視線から目を逸らす。
暗にそれ以上の追求を拒絶するように言ったつもりだったけれど、思いの外か細かった。