箱庭センチメンタル
きっかけは、些細なことだった。
私が7つの時だろうか。
あの頃の私には、分からないことばかりだった。
なぜやりたい事ができないのか。
なぜ好きな事をやらせてもらえないのか。
なぜ屋敷から出ることを許されないのか。
それは当然のことだと理解こそしていたけれど、私は自分が一人であることに疑念を抱いていた。
「雛李様はとてもお可哀想。でも大丈夫ですよ。私がお側におりますからね」
かつて私の世話役として宛がわれたその女性は、顔を俯かせることもなく、真正面から私に接した。
笑顔を向けてくれた。
側にいてくれた。
遊び相手になってくれた。
それがどれだけ救いになっていたのか、今はもう計り知れない。
唯一私に優しくしてくれた彼女に、私は懐いていたのだと思う。