箱庭センチメンタル



大本を辿れば私の暗所嫌いはここに起因する。


ゆえに、お祖母様の見立てはあながち間違っていない。


確かに私への罰としては妥当かもしれない。



今更何を思うわけでもないけれど、昔は泣きじゃくっては、出してくれと叫んでいたような気がしないでもない。


記憶には薄いけれど、それなりに起伏の激しい子供だった。


時には泣き、また時には笑い、興味が惹かれるものにはとことん関心を持った。


その度に経験した仕置きは、今となっては恐怖の対象としては乏しい。




人は暗所に長期間閉じ込められるとおかしくなるのだと、どこかの書物で読んだことがある。


極端な話、精神を病んでしまうらしい。



時間感覚を失くし、必要以上の汗をかき、眩暈や動機に見舞われる。


進行すると幻覚、パニック発作、強迫的思考やパラノイアなど、様々な異常が目に見えて現れるとのこと。


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