箱庭センチメンタル
もしかして私は、自分の妹を下に見ていた?
自分より劣る者だという認識を持っていた?
「お姉様」
呆然とする私に、この上なく優しい声が届く。
懺悔のしようもない。
私は一体、これから妹にどう接すればいいのだろう。
考えることを放棄した私に、判断力はなかった。
「皐…」
縋るように、側まで来ていた皐の顔を見上げる。
何よりも大切で守りたいと願った私の妹は、微笑を浮かべていた。
「お姉様。皐の願い、どうか聞き入れてください」
「…願い…」
私はやはり、我慢を強いていたのだろうか。
それならば、否定できるはずもない。
何を言われても、私にはもうこの子を御する資格も、その気もないというのに。
それなのに、私を見つめるその眼差しは曇りを知らない。