秘密の花園×名なしの森
「……じゃあ」
「うん。……またね」
「はい。また――……」
僕は、彼女――くゆりさんの笑顔に背を向けて、ゆっくりと歩き出した。振り返ると、彼女は柔らかな笑みを向けたまま、ゆるゆると手を振っている。
僕は何度も後ろを振り返りながら、僕はひたすら歩く。後ろ髪を引かれる思いとは、こんななんだろうか。くゆりさんと離れるのが、名残惜しい。
出逢って数時間しか経っていないのに、こんな風に感じるのは不思議だ。