記憶は私に愛をくれない。
やっと思い出した。
俺は制服を着て部屋から飛び出した。
「母さんっ!!」
キッチンに立つ母さんに声をかけた。
「何したのー?早くご飯食べて文化祭いきなさい。」
まって、よくかんがえろ。
この家族は今まで俺を家族のように思って傍においてくれたんだ。
今、母さんしかいない状況で記憶戻ったなんて言っていいのか…
「やっぱ何でもねーよ。」
悩みに悩んだ末、記憶が戻ったことは言わずに出されたご飯を食べ、家を出た。