記憶は私に愛をくれない。
私と陸の間には、時間だけじゃなかった。


心までにも距離ができてしまっていた。


あの頃からは想像できないくらいの……。



「私、もう陸のそばにいれないんだ。」


「美初……。」


安奈が呼ぶ声はもはや遠かった。



入学早々、不運という名の絶望を味わった。



私と陸は離れ離れになってしまった。


そしていつの間にか、私1人の思い込みになってしまっていた。
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