あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
んん……と私の様子をうかがいながら、腕を組んで何やら思案中の月島さん。


そうしてるうちに、パッと目を開いて顔を近づけてくる。

「あのさあ、全然入ってこないんだよねえ。情報が。社長自ら人集めて何かしてるって噂は耳に入ってくるんだけど」

何ですか、それって顔で私は彼の顔を見た。


「そんなこと私に聞いてどうするんですか?」

「お前のボスが、今回の事件の親玉だからだよ」
課長のことを悪者みたいに言う。

「課長が?」

「とぼけるなって。社長がコンサルタントに依頼して人事を動かそうとしてるのは分かってる。総務の方からも全然情報が洩れてこないし、何が始まってるのか分からない。何か聞いてるんだろう?」

それらしいことを課長から聞いている。
でも、そのままのことを、月島さんには言えない。


「月島さん?一つ聞いていいですか?」

「ああ」

「私を人事に異動させたのって、月島さんの推薦ですか?」

「俺の?」

「別の筋から、そう聞きましたけど」


「まさか。優秀な部下を手放すわけないだろう。そんな余裕あるかよ。おかげで穴埋めするの大変なんだぞ」


「じゃあ、違うんですか?」


「違うっていうか、異動の辞令が出る前に社長に呼ばれて質問に答えただけだ」


「質問て?」


「店舗運営課の栗原希海は、優秀な部下かって」

「それで?」

「今まで見たことないくらい優秀で、コミニュケーション能力があります。能力もぴか一だといった」

「本当ですか?」

「ああ、くそっ。嘘言えばよかったな。だから持っていかれたんじゃないか」
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