あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
「いいよ。じゃあ、信用する」

「そう、嬉しいわ」

「俺、経理課に行きたいんだ」

私は、彼の次の言葉を待った。

「それで?」

「それだけ」

「えっと、ただそれだけならアンケートに書いててくれたよね。だから、そのことは、私も知ってるけど」

「だから、どうしても異動したいんだって」

今度は、打って変わって真面目な顔になった。

ちゃんと真面目に話せるじゃないの。


でもねえ、
「そうは行かないわよ。一応、営業の素質を買われたわけだし」
会社で決めたことは、そう簡単に覆らない。

「ほら見ろ、関係ない人間が、真剣に相談なんか、乗ってくれるわけないじゃないか」
< 193 / 240 >

この作品をシェア

pagetop