あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
「ずっと、注意深く見ていればわかる」
さらっと嬉しこと言ってくれる。
「注意深く見てると、何が分かるのよ」
もう、素直に好きって、はっきり言ってくれれば、もっと嬉しいのに。
彼の首に腕を巻き付けて、頬にキスをする。
彼に言わせると、このキスは、私の気持ちを言い当ててくれた、彼へのご褒美の行動だって言いそう。
彼は、私の目を見て言う。
「いつもと違う行動してるからだ」
「いつもと違う?」
そうだっけ。
「俺の方にすり寄ってきたり、優しくしようとしたり」
すり寄ったり、優しくは前からしてたけど。
「それは、そうしようと思ってたけど、出来なかっただけで、こうして両思いだってわかって、恋人同士で部屋にいるときは、二人でくっついていたいと思って……」
「じゃあ、来いよ。もっと近くにいればいい」
私は、ソファに座ってる彼の膝の上に乗った。
「それでいいのか?」
驚いた。
こんなの、真っ先に拒否すると思ったのに。
「うん」
体をぴったりと重ねる。
彼の心音、呼吸する時、息を吐きだす音。
肌のぬくもり。
すべてが心地いい。
いつでも好きな時に触れられる。
それが一番いいの。
「希海?俺の考えてることわかるか?」
「いいえ」
急に、ふわりと体が浮いて抱きかかえられていた。
「昼食、遅くなってもいいか?」
「はい」