7年越しの、恋。
指も震えるし、泣きそうだし、いろんな感情が入り交じって苦しい。

耐えきれず廊下に飛び出した。

「ちょっ、みなみ?!」

優花が呼び止める声がしたけど、とても止まれなかった。

バタンと、慌ててトイレの個室に入る。
もはや、その場でへなへなとしゃがんで立ち上がれなかった。

なんで?なんでいるの?
こないと思っていたから、余計に心の準備が出来てなかった。

ちらっと、久しぶりに見た彼は、あのときよりも背が伸びた様に感じる。
声はあの頃と変わらない。

あぁ。なんて女々しいんだ。自分は。

またあの声に「みなみ」って呼ばれたいと思ってしまうなんて。

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