水色ガールフレンド
01

惚れるって案外簡単



パッと目が覚めて携帯を見ると午前5時28分。

こんな早朝にスッキリと迎えた朝は何年ぶりだろう…。

伸びをしてベッドから立ち上がり、カーテンを開けると窓には昨夜の雨が水滴となって残っている。


ジャージのまま階段を降りてリビングへと向かうと、5時30過ぎだというのに母さんが朝食と弁当の用意をしていた。

そういや昨日

「明日7時から会議なんだ。今朝急に言われて…悪いけど弁当頼むよ」

とかなんとか言ってたな。
一日くらいコンビニや食堂で済ませりゃいいのに。

弁当を作るためだけにこんな早く起こされる母さんの身にもなってみろって。

俺が親父に作るとしたら前日作りおきの冷凍食品詰め合わせ弁当だな。

それですら面倒だけど。

母さんに気づかれないよう静かに一度ドアを閉めて、洗面所で顔を洗ってからまたリビングへと戻ると、紺色のスーツに身を包んだ親父が新聞を読んでいた。




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