それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?
「今日はとても賑やかだ」

 他人事のように、お城に集まって来る男達の様子を、会場となる大ホールの高座から王配殿下は眺めていた。

「ほんと、皆さん立派な方々ですわ」

 女王も暢気にほのぼのと笑みを浮かべていた。

「昔は私もこの中の男の一人であった。それが今ではそなたの夫としてこの地位にいる。不思議なことだ」

「私の時はこんなにも多く集まりませんでした。それよりも人の伝でお見合いばかりさせられてましたわ」

「それでも、私を選んでくれた」

「いやですわ。選んだなんて。私達は恋に落ちて一緒になっただけですわ。ホホホホホ」

「そうであったのう」

 二人は手を取り合って見つめあい、瞳の奥にハートのマークを映しあって自分達の世界に浸り込んでいた。
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