陰にて光咲く



アズマが来なければ、今頃さおりと…


はあっとわかりやすく、肩を落とした。


ちらっとアズマを見ると、アズマの表情が硬かった。


「それでさ、拓夢に話あるんだけど」


アズマが俺に向き直り、目を合わせて言った。


どうやら真剣な話らしい。


「何だよ?」


「俺の親友になってほしいんだけど」


思いもよらなかった話に、言葉が出なかった。


親友…?


アズマと?


俺が⁇


顔にわかりやすく出るほど困惑してることは、自分でもわかっていた。


アズマと親友…


それって、いいのか?


こんな変わった奴と。


いや、そもそも親友になろうって言ってなるものなのか。


いろんな疑問が頭上を飛び交い、混乱状態に陥る。



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