陰にて光咲く
黙ったままでいると、アズマが続けた。
「俺今まで友達と呼べる奴いなかったけど、拓夢になら何でも話せるんだよ。今までそんな奴いなかったし」
嬉しいような嫌なような複雑だ。
健太やさおりからも、アズマとは関わるなとあれほど言われていた。
でもアズマは変わってる奴だけど、いいところもあるってことを知ってる。
アズマとじゃなきゃ楽しめないことだってある。
正直、以前と比べてアズマの見方が変わった。
だからもう、アズマのことをちゃんと受け入れてもいい気がしてる。
俺はアズマに向かって、ゆっくりうなづいた。
「いーけど…」
そう言うと、アズマの表情がパアッと明るくなった。