陰にて光咲く



黙ったままでいると、アズマが続けた。


「俺今まで友達と呼べる奴いなかったけど、拓夢になら何でも話せるんだよ。今までそんな奴いなかったし」


嬉しいような嫌なような複雑だ。


健太やさおりからも、アズマとは関わるなとあれほど言われていた。


でもアズマは変わってる奴だけど、いいところもあるってことを知ってる。


アズマとじゃなきゃ楽しめないことだってある。


正直、以前と比べてアズマの見方が変わった。



だからもう、アズマのことをちゃんと受け入れてもいい気がしてる。


俺はアズマに向かって、ゆっくりうなづいた。


「いーけど…」


そう言うと、アズマの表情がパアッと明るくなった。


< 65 / 211 >

この作品をシェア

pagetop