夜の甘やかな野望


スマホがまた震え、宗雅からの電話なのにタップする。


「どう?」


開口一番に愛想もない。


「うん、まあ」

「なんとかっていう女の所?」

「倫子さんね」


ため息をつく。


「そういう言い方されると、どうしようもないヒモになった気分なんだけど」


電話口でくつくつ笑っているのが聞こえる。


「追い出されなかったんだ。
よかったな」

「されないよ。
 倫子さんには元々、院長婦人なんて迷惑って言われてたし」

「ふうん」


微妙な沈黙になった。
< 178 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop