夜の甘やかな野望
「ま、所詮、“気づき”、じゃないの?」
「お兄様、また、ざっくりだね」
「“気づき”を逃さない、それだけ」
「相当、難しいんだけど」
相談したのに、更なる課題をもらった感じ。
たっぷりとしたため息をついた。
電話の向こうでは愉快そうに笑っている。
「あの時、“気づき”を逃したら、借り物の服を着ているような感覚で生きていたと思う」
「プレッシャーかけないで」
「ま、頑張ったら?
以前よりは、少し前進しているようだし?」
宗雅はあっさりと電話を切った。