夜の甘やかな野望



「あの時から、誓いを破ったことはないし、これからも破らない。
 日付が変わらないうちに帰るとか、週末は一緒に過ごすとか、そういう約束は出来ても守れないと思う。
 だから約束をしたくない。
 でも碧さんが望むなら、いくらでも約束事を作るし、するし、守る努力をする」


赤信号で車が止まった。


宗雅は碧の方を向くと、指を伸ばして碧の頬に触れた。


「だから、戻ってきて」


しばらく見つめあっていたが、信号が変わったのに宗雅は前を向いて車を出した。


長い間の沈黙後、碧が呟いた。


「子供みたいでした、ごめん。
 拗ねてた・・かも」


宗雅は口元を緩めた。
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