夜の甘やかな野望


     *


倫子。


名前の由来は倫理から来ている。


清く正しく美しく、生きてほしい。


父親の願いである。


そして親の願いどおり育たないのが子供だ。


2回も、付き合っていた彼氏たちが華奢な女の子に乗り換えていったのに、恨みに満ちている。


梅雨空に倫子の気分は余計に鬱屈していた。


「どうしたの、朝からため息なんてついて?」


さわやかな空気と共に宗忠が出勤してきた。


このうっとおしい時期に、なんて貴重な存在だろうか。


ってか、あの柔らかい色の髪の毛は、湿気で広がらないのだろうか。


なんでサラサラしているんだろう。
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