夜の甘やかな野望


今の彼女はわがままだとか、細すぎて抱いた感じがいまいちとか。


それって自分と別れる際には、甘えてくれて、華奢で体が弱くて、守ってやらなきゃいけないからとか、言い放った
くせに。


あ~あ、やっぱり人生って上手くいかない。


元々、ああいう人と関係を持てちゃったほうが、おかしいってか。


ふっと息を吐く。


そんなもんだよね。


手元の缶を空にすると、倫子はぐしゃりと潰した。
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