1/100でも、じゅうぶん甘いね。



「なんだ、あいつヘタレだなぁ」



眉を下げて、呆れたような顔をする翔太くん。

その意味が分からなくて、思わず首を傾げた。



ヘタレって、どうして?

翔太くんは笑うだけで、その答えを教えてはくれなかった。







「はい次の問題、倉科」

「はーい」



夏休み明け一発目の授業は、数学だった。

夏休みが終わったばかりで頭が勉強モードになっていないのに、最初から数学だなんてハードすぎる。


そんなことを思いながらぼやぼやしていた私とは反対に、倉科くんは頭がいい。


先生に当てられて、面倒臭そうに黒板の前に出た倉科くんは、スラスラと公式を黒板に書き込んでいく。



私の席の隣を通った瞬間、ドキンと心臓が跳ねて。

倉科くんの柑橘系の柔軟剤の匂いが、ふわりと香って。


ちらりと横を見たら、綺麗にアイロンのかけられたワイシャツに隠された、意外と筋肉質な背中。



……って、何見てるんだろう。


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