傷痕~想い出に変わるまで~
部長からの通達は、来週からオフィスの場所が変わるということだった。

新しい部署が発足することになり、今の企画一課と二課のオフィスを新部署が使用することになったそうだ。

そして一課と二課は、あまり使われていない第二大会議室をパーテーションのようなもので区切って共同で使用することになるらしい。

まさに晴天の霹靂だ。

新部署発足の話は聞いていたけどオフィスの引っ越しなんて初耳だし、しかも一課と共同になるなんて。

いくら仕切りがあっても毎日ずっと同じ部屋に門倉がいるとは!

冗談じゃないよ…。

隣の部屋でもこんなに気まずいのに。

「あのー…なんで一課と二課が同じ部屋になるんですか?新部署がそちらを使えばいいのでは…。」

決定済みのことだから何を言ってもしょうがないのはわかっているけれど、とりあえず申し立ててみる。

「新部署はふたつともジャンルがまったく違う課なんだよ。その点一課と二課は同じ企画課だし、オフィスを共同で使用することになったんだ。今後、一課と二課が協力して請け負う仕事もあるかも知れないし。」

それこそ冗談じゃないよ…。

だいたい毛色の違う一課と二課のメンバーがうまくやっていけるかどうかもわからないのに。

「とにかくこれは社内決定済みだから。今週金曜までに各自で荷物まとめて土曜には引っ越しできるようにしてくれ。」

これまた忙しい時に…。

会社は部下の仕事の邪魔をしたいのか?

いろいろ思うところはあるものの、何を言っても聞いてもらえなさそうだ。

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