幾年の愛を


「俺がいる」

目を開けると、向かってきていたガラスを
全て壊していたレムさんの姿があった。

どうして…なのかな?


「大丈夫か?」


どうしてあなたは…私が来て欲しい時に
来てくれるのかな?


「すみません…迷惑をかけて…」


出てはいけないと言われていたのに
その約束を私は破った。
そんな奴が助けを求める事なんて
許されるはずがない…


「てめぇ…」


前の方にいた水嶋さんの姿をした
奴は怒っているようだった。
レムさんはそいつをみたとたんに
顔を歪ませ、立ち上がった。


「大丈夫だ、下がっていろ」


レムさんが言ったとおりに後ろに下がるも
相手の方には子供達がいる。
盾に使われてはこっちはどうもできない。
それに、あの中になにが入るのかは
分からない…けど、
そのせいで水嶋さんが可笑しくなったなら
水嶋さんが傷つく必要なんてない。

すると…


「遅いぞ」


レムさんが放ったその言葉に水嶋さんの後ろからは2つの影が見えた。
そして、捕まっていた子供達も…


「ごめん、ちょっと手間取ってた」

「采羽、大丈夫?」


澪さんと藜さんだった。
2人は私に手を差しだし、立たせる。


「采羽?」

「いえ、大丈夫です」


2人が来てくれたおかげで、
子供達も解放…レムさんはなにも気にせず
闘えるようになった。


  
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