君と恋する放課後
委員会とかバイトとか進路のことで
先輩が大変なのを私は知ってる。
こうして部室で先輩が寝ることは最近度々あったのだ。
疲れてるんだろうな。
「お疲れ様です。先輩」
聞こえていないけれど、この想いが
どうか先輩に伝わるといいな。
触れ合った小指はじんと熱くて、愛おしかった。
下校時刻の放送で、私たちは目を覚ました。
「あれ?もうこんな時間、って俺また寝てた?!ごめん!」
慌てて飛び起きる先輩を見て、私はなんだか面白くてクスクス笑った。
「いや、私もぐっすり寝てましたからお互い様です。」
「ならよかった、帰ろっか!」
安心して笑った先輩の顔は、部室に来る前よりスッキリしていて私も安心した。
「そういえば最近不審者多いから、
今日は家まで送るよ」
またサラッと先輩はそんな事を言い出した。
もう私の心臓はもたないかもしれない。
「えええ!いいですよ!先輩の家真逆じゃないですか!」
先輩はブンブン首を振る私の顔を両手で包み込んで
「はい、ストップ。
いいんだよ、そのために今日は
自転車できたんだから。」
とさわやかに笑ってみせた。
先輩、かっこよすぎます、、、