鬼上司は秘密の恋人!?
 
その時自分はどうすればいいんだろうと考えたけれど、答えはでなくて顔をしかめた。

「わかりません……」

途方にくれて石月さんの顔を見上げる。

「でも、そんなことになったら、祐一がいなくて寂しくて死んじゃいます」

ぽつりとそう言うと、石月さんは私の答えが予想外だったのか吹き出した。
肩を揺らして笑う石月さんを、眉をひそめて睨む。すると私の視線に気づいた石月さんは笑いをこらえながら「悪い」と首を横に振る。

「突然変なこと聞いて悪かった。でも、あんまりお前らしいから」

くすくすと笑い、ふくらんだ私の頬をするりと撫でた。

「俺も、突然お前とチビがいなくなったら、死にはしねぇけど、寂しくて泣くかも」

冗談ともからかいともつかない、静かな口調でそう言った。
驚いて顔をあげると、石月さんは「冗談だよ」と笑ってくしゃりと私の髪をなでる。
そしておもむろに立ち上がった。

「食欲あるか? 今なにか持ってくるから、少し食べたら薬飲んでもう少し寝ろ」
「……はい」

私が頷くのを見た石月さんは、優しく笑って部屋を出た。
ひとり残された部屋で、鼻まで布団で隠しぎゅっと目を閉じる。

『ありがとう』と言ってくれた表情を。髪をなでる大きなての感触を、『寂しくて泣く』と言った口調を、布団の中でひとり思い返す。

どうしよう。
私、石月さんのことが、すごく、すごく好きだ。
そう思うと勝手に目が潤んで、熱い涙が頬を伝ってこぼれ落ちた。

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