鬼上司は秘密の恋人!?
 
「今度、お前の両親とお姉さんのお墓に挨拶に行こう。それから、うちの親父の墓にも」

石月さんは優しい声で、そう言った。

「もし嫌じゃなかったら、俺の母親のところにも」

何度も頷きながら、手で顔を覆う。
幸せが胸にせまり感情が高ぶって、手が震えた。肩も、膝も、唇も。
そんな私を見て、石月さんは優しく笑う。

目を見合わせ笑い合い、額をこすり合わせるように、触れるだけのキスをした。

「好きです、石月さん」

鼻声でそう言うと、「俺も」と石月さんが目を細める。

もう一度キスをしようと目をつぶった時……。


「ゆきー! トーゴ! ねこちゃんをはこから出していいー?」

リビングから祐一の元気な声が聞こえてきて、ふたりで視線を合わせて笑った。

「いいけど、猫を見失わないように、和室の襖を閉めてから出せよー」

石月さんがそう言って、私の手を繋いで明るい光が漏れるリビングへと歩きだす。

母を亡くした祐一と、両親と姉を亡くした私。
そして幼いころ父を失った石月さん。
それぞれ孤独で傷だらけの私達が、助け合い想い合い家族になる。

まるで奇跡みたいな幸せに、胸がいっぱいになった。
この幸せな場所を、大切にしようと思いながら、ぎゅっと石月さんの手を握りしめた。



『幸せな居場所の作り方 END』


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