暴走族に恋をする。
「で、あれなに?バッタリ会ったの?
にしては桜子だけここにいたのは変だし。」
「あー…最初は一緒にあっちにいたんだけど、快斗が私をここから連れ出したの。
だけどあいつ、カツアゲしてたから快斗はそれを止めにいったの。
ここにいろって言われたんだけど気になって動こうとしたらゆっきーさんがきたから…」
「俺を壁に使ったってわけね。
ま、もうすぐ快斗もここに来るだろうね。こんなところで殴りあうほど、相手もバカじゃないから。」
……でも、快斗微妙に怒ってたよね、あの顔…
はぁ…あの人の怒り方、本当尋常じゃないっていうか…オーラというか圧が本当恐ろしいからやだな…
「あ、きた。」
ゆっきーさんがそう言うから、恐る恐る振り返ると、やっぱりそこには怒った顔の快斗がいた。
「変な男が来たらすぐに女子トイレに入ってって言わなかったっけ。」
「……え?」
え、待って。……そこ?
「はは、変な男って俺のこと?もしかして。」
いや、ゆっきーさん。全く笑えないからね。
どこが笑えたのか教えていただきたいです。
「……行こ。」
「え、ちょ…」
陽気に笑うゆっきーさんと、のんきに自動販売機でジュースを買っているオチケンさんを放置し、
快斗は私の手を握りしめて歩き出した。
「か、快斗…?」
「…………。」
お、怒ってらっしゃる…。