暴走族に恋をする。
「……あなた、大津さんの息子さんと交際してるって本当?」
「…うん。本当です…」
「いつから?」
「2週間前くらいからです。」
「そう。」
……そうです、はい。
この沈黙が辛いです……
「…今日、彼のところにあらためてお見舞いに行ってきたの。」
「…え?お母さんが?」
そんなこと、快斗は全く言ってなかったのに…
「そう。
桜子を助けてくれたお礼も兼ねて。
……そしたら言われたのよ。
桜子の泣いた顔、見たことありますか、って…」
「え?」
泣いた顔…?
「私はそれにすぐに答えられなかった。
小さい頃はよく泣いてた桜子だけど、そういえばいつからこの子は泣くことをしなくなったんだろう、って…
そしたら、もう高校生だから親の前で泣くことはあまりないと思うけど
せめて、お兄さんのことを思い出して泣けるくらい、弱らせてあげてくださいって言われたの。
強がってばかりで、本当は全く乗り越えられていないから、たまには弱らせてあげてください。
お兄さんの死を受け入れさせてあげてください、って言われてやっと気づいたの。
私は桜子を責めるばかりで、一番責任を感じていた桜子を追い詰めてたんだ、って…
それからどんどん地味に、真面目になっていく桜子を見てなにを思うこともなかった。
それが桜子なりの罪滅ぼしなんだと気づくこともできずに…」