暴走族に恋をする。



病院につき、快斗の入院する最上階を目指す。
……なぜ整形が最上階なのかと突っ込みたくなるけど。
みんな骨折とかしててリハビリ行かなきゃなのにね…


1010号室。"大津快斗"

そのドアの前にたち、私は深く深呼吸をした。
ゆっきーさんからの話を聞いても、やっぱり怖いものは怖くて…

ドアに手をかけてしばらく固まってしまった。


……だけど、止まってたってなにも始まらない。
終わることすらない。

立ち止まってる場合じゃないから、私はゆっくりとドアを開けた。
それは静かに、静かに……


……そしてこの広い部屋で、快斗は杖を持って必死に歩いていた。
いつもの軽やかさはない。

その一歩一歩の重みが、私の心にズシンズシンと響いてくるような、そんな感覚だった。


それを見て動けなくなった私だけれど…

快斗をバランスを崩した、その時


「危ない!」


私の体は、自然と動き出していた。


「……っと…大丈夫…?」


崩れ落ちる前に、私がすぐに快斗の下に入り、快斗を支えた。

さすがに、女の私には男である快斗の身体は重かったけど…それでも必死に快斗を支えた。


「……なんで…」


私を見てそういって固まる快斗を、とりあえずベッドまで連れていった。

私にはすごく重くて大変だったけど、諦めることはできなかった。


「……快斗、頑張ってるじゃん。」


「別に…
……やらねーと治んねーし

ってかなんできたんだよ。
俺もう言ったじゃん。耐えられないって。」


快斗はうつむきながら、そう言った。


「…快斗が嘘をつくときは、かわいい笑顔を張り付けて、人の目を見る。
それは嘘をつくことに負い目を感じないから。

だけど私には決してそうはしない。
快斗が思ってもいないことを私に話すときは、いつだって私の顔は見ない。

その代わり、それ以外のときはいつも私の顔を見てた。

……ちょんと快斗のことを見てきたから、そんなこと気づいて当然だったのに…」


昨日は嘘だと見破れなかった。
それくらい、気が動転していた。


「なんで強がるの。
……なんて、そんな愚かな質問はしたくない。

どうして強がるかのかなんて、私が一番知ってる。
人が強がるときは、弱ってて崩れ落ちないように必死になってるとき、でしょ?

そうやって私に言ったのは快斗じゃん。」


あれで、私は本当に本当に救われたんだよ。



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