暴走族に恋をする。



俺は、ポケットにいれたままだった合鍵を、桜子ちゃんの手に握らせた。


「いつでも来て」


渡せないと思った合鍵。
でも、ちゃんと俺の手から桜子ちゃんの手へ渡せた。

俺も幸せ、だけど
その鍵を見た桜子ちゃんがすごく幸せそうに笑ったから、それを見てまた俺も笑う。


こんな幸せばっかな恋愛じゃないけど、でも確実に深まっていく。


いつか、桜子ちゃんが望む俺との将来が形になればいいな、と願って。


「…じゃあ、一回帰るね。
快斗は大学行ってね」


「やだ。
桜子ちゃん送る。
家までに何かあったら困るし!!」

「え、別に大丈夫だよ
明るいし、近いし」

「でもだめ!
俺の気がすまない。」

「……はいはい、じゃあ行こ。」


俺らは一緒に外へ出た。
こんな足じゃまともに喧嘩すらできないけど、でも絶対に桜子ちゃんは俺が守るから。

そのために俺がいるから。


「快斗、これ」


そういって差し出した桜子ちゃんの手のひらには鍵があって


「え、それあげたんだけど。
返却受け付けてません。」


「いや、そうじゃなくて
……テスト前はダメだけど、会えない日は来ていいよ」


「えっ、てことはこれ」


桜子ちゃんちの合鍵、か…?


「本当は昨日渡す予定だったんだけど」


5年記念日。
俺たちにとって、そんな特別な日のためにずっと前から合鍵を用意してた俺。

もちろん、合鍵なんて作ろうと思えばすぐできるものだけど
でもそれを今持ってるってことは前々から準備してたってことで


「でもなんか快斗の真似みたいになっちゃったな」


しかもその準備が俺と同じ思考で


「いやこれが一番嬉しいから!!」


俺に幸せは沸点を超える。


「これでもう桜子ちゃんの部屋の前に居座らなくて済む!!」

「本当に、あれは勘弁してほしかった」


なかなか素直になれないけどさ
5年たっても変わらず、……いや
もっともっと、桜子ちゃんのことがだいすきだ。


「ん、送ってくれてありがと。
またあとでね。」


「おう!!
俺今日麻婆豆腐がいい!」


「はいはい。
作って待ってるから、学校頑張ってね」


「ん、行ってきます!」


「行ってらっしゃい」


こーんな可愛くて仕方ない彼女、絶対手放してやるもんか。


……もう絶対、『別れる』なんて口にしない。

そう決めた今日は俺と桜子ちゃんの5年と1日目。



E N D
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