君が笑顔でいる未来なら
《プロローグ》
――私は、家族とは血が繋がっていない。
この事実を知ったのは、私が中学生の時…。
中学で『昔の自分』という題名で作文を書くことになって、押し入れでアルバムを探したのが事の発端。
アルバムが入れてある箱を見つけてアルバムを取り出すと、底の方に封筒があるのに気づいた。
ダメだとは思ったけど、好奇心で思わず封筒を開く。
封筒の中の資料には私の名前と、
嫌でも目に入った、養女という文字…。
容赦なく突き付けられた事実に、私はただ呆然とするしか出来なかった。
そして、少ししてから気づいた。
実親の名前欄が、不明になっていることに――。
『私は…一体誰なの…?』
この時から私は、自分が誰なのか分からなくなった。
< 1 / 4 >