TUG of WAR ~恋のつな引き~
「全然できないよ。この料理だってレシピ見るのに必死なくらいだったから。」



レシピと苦戦しながら料理する先生の姿を想像して、可愛いと思ってしまった。



「普段は時間なくてコンビニとかスーパーの出来合いの物ばっか食ってるから料理しなくて。」

「それじゃあ体に悪いよ。昼だってコンビニ弁当なんじゃない?」

「まあな。じゃあ優佳朝遅い日に朝食作りに来てよ。」



来た、また。
こんなに甘えてくることなんて今までなかったのに。

逆に怪しくて仕方ない。



「えー嫌だよ。遅い日くらいゆっくりしたいし。」

「まあそうだよな。でも一度でいいから優佳の手料理食べてみたいわ。」

「いつかね、いつか。」



テレビを見ながら雑談をしていると、あっという間に時間が過ぎご飯も食べ終わっていた。



「和斗に作ってもらったから私洗うね。」



ごちそうさまをしたあと、私はお皿を持って立ち上がった。
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