*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「……え?え!?あの、ちょっと…!?」
何かよく分からないけど、茜先輩って強引なんだけど物腰が柔らかいせいか、嫌って言えない…………
嫌って言わせない空気をもってる。
でもつられて歩き出そうとしたとき、教室の中のから鋭い声が。
「千歳!」
野次馬と化したクラスメイトの間から、スッと前に出てきたのは竜憧くんだ。
いつになく尖ったオーラを隠すことなく身体から発している。
「あれぇ?お前か、竜憧とかいうんは」
茜先輩も気づいて足を止めた。
「行くな千歳」
「……!?」
でも竜憧くんは茜先輩をチラッと一瞥しただけで、私に話しかけた。
その鋭い声は、廊下に集まった野次馬のみんなにも聞こえたらしく、さらに空気がザワッと揺れた。