*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*








「家まで送る」

千歳とふたりで乃愛のアパートを出た。

ふたりになると、なんて声をかけようか1分くらい悩んで、出てきたのはそんなありきたりな言葉だった。

断られるかとも思ったけど、千歳はこくっと小さく頷いた。

「単車のケツ乗る?茜ん家の前に置きっぱなんだ」

「……」

今度は無言。

…………そっか、やっぱ族の単車なんか乗りたくないよな。

千歳にとっては辛い思い出の象徴だもんな。

「……やっぱ歩く?」

「……」

「千歳、今日のことだけど……」

身体が熱くなって、心臓がドクドク騒ぎ出す。

隣に千歳がいるだけで、息を吸う、言葉を話すっていう単純作業が、途端に難しくなる。

「…………ゴメン」
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